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PSA検査とは?

前立腺癌の腫瘍マーカーPSA

PSAとは?

PSA (Prostate Specific Antigen) は前立腺の腺管から分泌される酵素です。精液は前立腺部尿道に射精されると固まる性質があります。PSAは精液が固まる働きを抑え、精液中の精子が自由に動き授精しやすいようにする働きがあります。前立腺の病気ではなくてもごく少量のPSAが血中に洩れますが、前立腺癌にかかると細胞の構造がこわれさらに多くのPSAが洩れるため血中PSAが高くなり前立腺癌の早期発見のマーカー(指標)として利用できます。

PSAは前立腺癌細胞だけでなく正常の前立腺細胞も産生するため、癌以外の前立腺肥大症、前立腺炎や尿閉(尿が詰まって出なくなること)、尿道操作(膀胱鏡、導尿)、直腸診などでも血中PSAは上昇します。一方、PSAを産生するのは前立腺だけなので、他臓器の疾患ではけっして上昇しません。すなわち血中PSAが高い場合、前立腺に何らかの問題があると考えて良いわけです。

PSA測定の意義は?

前立腺癌の腫瘍マーカーとしてきわめて有用な検査です。PSAは前立腺特異抗原というタンパク質の一種で血液検査で測定可能です。正常の前立腺の細胞の中にも存在しますが、前立腺癌になると細胞がこわれるため血液中のPSAが高くなります。

前立腺癌は日本でも急激に増加している癌です。前立腺癌は進行すると痛みや血尿、排尿障害などの症状を呈しますが、早期の場合特有の症状はありません。したがって早期の前立腺癌はPSAが高いことをきっかけに診断される場合がほとんどです。言い換えればPSAの測定以外では前立腺癌の早期発見はできないと考えても良いと思います。日本泌尿器科学会では50歳以上のすべての男性にPSAの測定を推奨しています。

またPSAは前立腺癌の診断のほか、治療効果の判定、予後の予測などにも利用可能です。

PSAの正常値は?

一般にPSAの基準値は4.0ng/mL以下とされています。これは様々な年齢層の男性にスクリーニングテストを行って決められた基準値ですが、かなり以前のデータを利用して決められた基準値のため最近ではもう少しきめ細かい判断がされるようになってきました。

PSAは前立腺癌でなくても年齢があがるにつれ上昇する傾向にあります。

当科では年齢に従い、以下のように基準値を設定しています。


図:当科における年齢別のPAS基準値設定

また、前立腺癌は同じ家族内に多く発生することが知られています。そのため3親等以内の親族に前立腺癌の患者さんがいる場合、上記の基準を一段階厳しく採用します。

たとえば65歳でPSAが2.7ng/mLである場合、本来ならば基準値以下なのですが親族に前立腺癌がいる場合には基準値を一段厳しく2.5ng/mL以下にするため異常値という扱いになります。

人間ドックなどの結果をいる場合にご参照ください。

なお、PSAの値が4~10ng/mLのの患者さんの当科での前立腺癌診断率は約38%です。